転倒・転落について

今回は転倒・転落事故についてお話したいと思います。
転倒・転落事故は子どもと老人に多く見られる事故で、転倒事故は玄関、廊下、浴室などで、転落事故はベランダ、窓、階段など、双方とも家庭内でよく起きています。
また、米国安全協議会の統計では、病院で手当てが必要な転倒事故が全米で毎日二万件以上発生しているとの報告を出しています。
子どもが転びやすいのは平衡間隔が十分発達していないためで、また体幹に比べて頭が大きくて重く、重心の位
置がが高いのでバランスを崩しやすい、子どもの視野は大人に比べて狭いので足元等がよくみえない等も関係しています。
乳児ではベビーベッド、クーハン、ハイチェアなどからの転落、1歳前後からは歩行器での転倒、階段、ベビーカー、ショッピングカート、自転車などからの転落などが多くなり、年齢があがるごとに公園での遊具や、屋根、工事現場での転落とも増えていきます。
転倒事故を防ぐ対策としては
1. カーペットのめくれや段差をなくす。
2. 電気コードなどを引っかける可能性のあるものを通り道には這わせない
3. 廊下と部屋などの段差を小さなスロープ等を使って埋める。
4. 止むおえない段差がある場所では明るい照明をつける。
5. 風呂場の床に滑り止めマットを敷く。 などが考えられます。
冷蔵庫やテレビなどの常設されているコードは、壁に沿って動かないように固定することが出来ますが、掃除機などの固定できないコードは、電気ポットのコードのようにマグネット式でひっかかってもコンセントプラグがはずれる様な形式のものに変えると、転倒事故が大きく減ります。
フローリングの床の上に、部分的なマットや絨毯を敷くのはすべりやすく危険なので、絨毯やマットは部屋全体に敷くか、裏に滑り止めのついたものを使用するのがよいでしょう。
また、2年ほど前に日本で実際に起きた事故ですが、幼稚園の男の子が縁日の綿飴の棒をくわえたまま転倒し、喉の奥に棒が刺さり死亡したというニュースがありました。この事故はその時運ばれた病院での診断ミスにより、このような痛ましい結果となってしまったのですが、はさみ、箸、歯ブラシなどの先のとがったものを口に入れたまま転ぶと大変危険ですので、とがったものを持って歩くときは十分注意しましょう。
転落事故を防ぐ対策としては
1. ベビーベッドの柵を必ず上げる。
2. ベビーカー・ショッピングカートに子どもを乗せたままその場を離れない。
3. 子ども用の椅子に座らせるときは必ずベルトをする。
4. 階段の上下に柵をつける。
5. 窓に格子をつける。
6. ベランダや窓の下に踏み台になるようなものを置かない。
7. 滑り台、鉄棒などの遊具で遊ぶときは必ず大人が付き添う
などが考えられます。
特に夏場は窓を開け、網戸にしている家庭が多くなりますが、多くの網戸は簡単にはずれてしまうので、しっかりと固定するなどの注意が必要です。また、窓の格子やベランダの柵は十分な高さを持ち、そのすき間が10cm以下のものを使用しましょう。
また、転倒・転落して家具やテーブルの角などで怪我をすることがあります。そのためアメリカではそれらの部分あてるクッションテープやカバーが販売されており、簡単に手に入ります。ローラースケートで遊ぶときや自転車に乗るときにはヘルメットをかぶることを法律で決めている州もあります。
日本でも最近やっとこのような商品を一部のデパート等で見かけるようになりましたが、事故防止や安全対策用の製品に関しては日本はまだまだアメリカから学ぶ点が多いと言えるでしょう。
転倒・転落の危険性は、転落した高さや落下地点の表面の性状によって左右されます。もっとも危険なのは高層階のベランダや窓などの高所からの転落です。
頭部から出血した場合、タオルやガーゼなどで強く押さえて止血しながら病院へ運びます。頭部には網細血管が多いため、その出血量に驚くかも知れませんが、実際の出血量は見た目ほどは多くないので落ち着いて行動してください。
またこぶができたら濡れタオルなどで冷やします。大抵のこぶは頭蓋骨の外側に出来るのでそんなに心配する事はありませんが、だんだんと大きくなってきたり、ぶよぶよとやわらかいこぶの場合は病院へ行きましょう。
しかし、いつまでも機嫌が悪い、泣きやまない、顔色が悪い、嘔吐する、息の仕方がおかしい、うとうと眠る、ひきつけをおこす、鼻や耳から血液や透明な液が出たなどの場合はすぐに病院に連れて行ってください。また、頭を強く打った場合は、その直後は何ともなくても後から症状が出ることがありますので2、3日は注意して様子をみたほうがよいでしょう。
文:内山有子