|
CDC(国立疾病予防センター)レポート
|
|
|
心肺蘇生について しかし、実際に傷病者を発見し、すぐに救急車を呼んだとしても、現在ではファーストコールから現場到着まで平均約6分かかっていることより、発見後すぐにバイスタンダーが人工呼吸等の心肺蘇生を行ないながら救急車を待つことが必須となります。 傷病者を発見したときは、まず、事故発生の状況、原因等の周囲の状況をよく観察し、二次災害の危険性がないことを確認してから救助を始めます。特に、周囲の状況が悪いときには傷病者、および救助者自身の安全を確保するために、安全な場所へ非難することが優先となります。 傷病者の観察手順・ポイント・救助方法は次の通りです。 1. 意識の確認 救助者の片手を傷病者の額にあて、救助者の口元を傷病者の耳元に近付け、もう一方の手で肩を軽くたたきながら「大丈夫ですか」などの呼びかけをして反応をみる。反応がなければ「意識なし」と判断し、周囲の人に援助と救急車の要請を頼む。また、傷病者の口を開け、口の中およびのどの奥に異物がないか調べ、もしなにかあれば指にハンカチ等を巻き付け異物を掻きだす。 2. 呼吸の確認・気道確保 (Airways)・人工呼吸(Breathing) 傷病者のおでこに救助者の手をあて、もう一方の手の人差し指と中指で、傷病者の顎を持ち上げるようにして頭を後ろへそらせて気道を確保する。救助者の耳を傷病者の口、鼻に近付け呼吸音、吐息を確かめる。5秒以上確認できない場合は、「呼吸なし」と判断し、人工呼吸を開始する。 人工呼吸の方法は、気道確保を継続しながら、傷病者のおでこにあてた救助者の手の親指と人差し指で傷病者の鼻をつまみ、口を大きく開け、傷病者の口を救助者の口で覆い息を吹き込む。傷病者の胸が隆起することを確認しながら、5秒間に1回の割合で、2秒間位 かけて静かにゆっくり息を吹き込む。呼吸の吹き込みを2回行なったら脈拍の確認を行なう。 呼吸がある場合は、傷病者を横向きにして下顎を前にだし、上側の手の甲を顎の下にいれて、また上側の膝を曲げて体を支えるように寝かせ(昏睡体位 )、様子を観察する。 3. 脈拍の確認・心臓マッサージ(Circulation) 傷病者の頚動脈(喉仏の横)、上腕動脈(ひじの内側)、大腿動脈(足のつけ根)などに救助者の人差し指と中指を置いて軽く押しながら、脈拍にふれることができるか確認する。指先に拍動を感じなければ、「心臓停止」と判断し、心臓マッサージを開始する。 心臓マッサージの圧迫部位、方法は、乳児では左右の乳頭を結んだ線の中央より1-2cm下を指2本で、小児では胸骨(左右の肋骨をつないでいる骨)の下端より指2本分上を片手で、成人は同じ位 置を左手の上に右手を重ねて両手で行なう。圧迫の強さは乳児では胸が1.5-2.5cm位 、小児では2-3cm位、成人では3.5-5cm位沈む強さで、救助者は身体を安定させ、肘をまっすぐ伸ばし傷病者の真上から1分間に80-100回のリズムで圧迫する。 脈拍があれば心臓は動いているので、気道を確保しながら乳児は3秒間に1回、小児は4秒間に1回、成人は5秒間に1回の割合で人工呼吸のみを継続する。 このような方法で人工呼吸と心臓マッサージを繰り返し行ないながら救急車の到着を待ちますが、もし救助者が1人の場合は、人工呼吸を2回心臓マッサージを15回のサイクルで、2人の場合はそれぞれの担当を決め人工呼吸1回心臓マッサージ5回のサイクルで、約1分ごとに呼吸と脈を確認しながら回復するまでまたは救急車が到着するまで継続します。 もし多少やり方が間違っていても、このような緊急事態で行なった心肺蘇生で法的に問われるようなことはありません。むしろ、特にアメリカであれば目の前に倒れている人を黙って見ていただけという道義的責任の方が社会的に問われるでしょう。目の前に人が倒れていたら、落ち着いて状況を判断し、必要と思われるときはためらわずに心肺蘇生法のABC(Airway、Breathing、Circulation)を思い出して実行してください。家族や同僚などあなたの愛する大切な人の尊い命を救えるのはあなただけなのかも知れません。 文:内山 有子 |