地球を守ろう!(4) - 気温の上昇による影響

 

北極の氷が解けて消滅し、地球の温暖化が進むとどうなるのか....

世界的な影響について

(1) 海面水位の上昇 地球が暖まることにより、海水が熱膨張し、また、氷河や極地の氷が融けだし、海面の水位は年々上昇していきます。地表面の平均気温が2℃上昇すれば、海面は約50cm(最低約15cm、最大約95cm)上昇すると予想されています。
そうなると海面下の地域や高潮津波の危険地域が広範囲に拡大してしまいます。
もし海面水位が1m上昇すると、マーシャル諸島の一部では80%、バンクラデシュでは18%の国土が海に沈みます。海に沈む地域の占める割合は国によって異なりますが、低地に住む人々は、家を失ない、難民となってしまいます。

(2) 水資源への影響と自然災害 地球上には約14億km3の水が存在しますが、淡水はその3%しかありません。しかもその大部分は極地の氷ですから、人間が利用できる量はごくわずかです。地球が温暖化すると、降雨と蒸発という水のサイクルが活発化し、水需給のバランスが崩れ、水資源の格差が世界的に拡大する恐れがあります。例えば洪水が多発する地域がある一方、渇水や干ばつにみまわれる地域が出てきます。すでに今日でも水供給の面で問題を抱えている地域では、より深刻な渇水となり、さらに、新たに多くの地域で渇水が発生するという水不足問題の拡大も予想されています。また、砂漠は、ほとんど例外なくより暑くなります。気温の上昇は、ほとんど耐熱限界で生存している生物にとっては脅威となります。気候変動と人間活動等の種々の要因の結果生じた乾燥、半乾燥半湿潤地帯での土壌の劣化は、もし環境がさらに乾燥化し土壌が浸食と固化で劣化すれば復元が一層困難となります。

(3) 農業への影響 温暖化は農業にも大きな変化をもたらします。
品種によっては、高温による障害、雑草や害虫の増加による悪影響も出ます。
地球規模での食糧危機説もささやかれています。
名古屋大学と国立環境研究所の分析では、米の生産量は若干増加する国があるものの、小麦やトウモロコシは、重要な生産地である中国やインドなどで、大幅な生産量の低下が予想されます。例えば、冬小麦の生産量は、2100年にはインドで55%、中国で15%減少すると予測されています。海外に食糧の多くを依存する日本では、影響が大きいと考えられます。

(4) 健康への影響 気候変化は、人間の健康に対し広範な影響を及ぼします。そしてそのほとんどは悪影響で、多くの人命が失われると予測されます。
直接の影響としては、熱波による死亡や病気の増加が上げられます。間接的な影響としては伝染病を媒介する生物の地理的範囲や活動期間の拡大により、マラリア、デング熱、黄熱病などの伝染病の増加が挙げられます。
また、気温の上昇や洪水の増加によるサルモネラ症、コレラなども増加すると考えられます。

日本への影響について

(1) 沿岸部への影響 平均気温の上昇により海面水位の上昇が予測されていますが、海面水位が上昇すると、自然海岸の浸食が激しくなります。
特に砂浜への影響は大きく、海面水位が50cm上昇すると日本の砂浜の約7割がなくなってしまう計算になります。もし、海面水位が1m上昇すると日本の砂浜の約9割、大阪府の砂浜は完全になくなってしまうと予測されています。また、海面下の地域も拡大します。1m海面が上昇すると、日本の満潮位以下の面積は、現在の2.7倍の約2,340km2(ほぼ神奈川県の面積に匹敵)、そこに住む人口は2.1倍の410万人になります

(2) 水資源への影響と自然災害 日本では、1965年頃から雨の少ない年が増えはじめました。夏の気温が平年よりも2.1℃高かった1994年や、0.7℃高かった1995年の猛暑の夏に、全国的な渇水に悩まされたことは記憶に新しいと思います。
地球温暖化により、夏季には、現在降水量の多い埴域はさらに多くなり、少ない地域はさらに少なくなります。冬季には、気温の上昇により降雪が雨になったり、雪解けが早まったりするので雪によるダム的効果が薄れ、その結果1月〜3月の河川の流量が増加する一方、4月〜6月の流量が減少し夏までの渇水が増加する可能性があります。逆に非常に勢力の強い台風が発生する可能性もあります。
これらのことから、大雨や乾燥が増加し、洪水や渇水などの自然災害の頻発が予想されています。

(3) 健康への影響 温暖化により熱帯や亜熱帯に見られるマラリアなどの感染症の媒介動物が日本でも住みやすい状況になり、進入してくる可能性があります。これにより、西日本一帯まで死亡率の高い熱帯熱マラリアの流行危険地域に入る可能性があります。また、夏の猛暑が高齢者の健康に及ぼす悪影響も心配です。日最高気温が33℃を超えると死亡率が増加し、特に65才以上では、この傾向が著しいという報告もされています。

(4) 農業への影響  日本の主食である米の生産に温暖化が影響します。北海道、東北地方では、温暖化により増収が期待されていますが、その一方で集中豪雨などの自然災害が頻発したり、雑草や害虫の活動が活発になり、熱帯・亜熱帯産の害虫が国内に定着し、収穫を減らすことも考えられます。また、小麦はどの地域においても減収になると予想されています
(5) 漁業への影響 温暖化により水温が上昇すると、冷水性の海藻が減り、これを食べるアワビやサザエ、ウニなどの生物が減少すると予想されます。沖合の漁業については、マイワシ、サバ、サンマなどの魚類が増えると予想されますが、紅サケなどの漁場は北方に移動し、漁獲量は減るでしょう。

(6) 動植物への影響 温暖化により動植物は、北や山へと移動していきます。しかし、複雑な地形や都市の影響で十分に移動できなかったり、植物の移動速度が気候の変化に追いつかなかったりして、絶滅してしまうものも出てきます。 例えば、山頂付近に生息する高山植物がそれ以上高地へ移動できずに絶滅したり、ブナ林の多くが消滅して、幅広い気温の地域に分布するコナラ林になると予想されています。
その結果、森林にすみかや餌を依存している野生動物だけでなく、果樹の栽培や林業などにも大きな影響が及ぶことが予想されます。 また、現在の環境で設定されている動植物の保護区は、気候の変化により不適切な場所となり絶滅に拍車をかける可能性があります。

(7) 都市への影響 温暖化により冬の暖房用のエネルギーは減りますが、夏の冷房用のエネルギーは増加します。都市部では、エネルギーの集中的な使用などによる局地的な気温の上昇(ヒートアイランド化)がさらに進み、水の需要量も、冷房のエネルギーも大幅に増えることになります。

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